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北山杉のふるさと -中川にて- 20060311-02

京都駅からタクシーに乗り、学生時代に大変お世話になったMさんの家へ向かう。窓から眺める京都は今日も穏やか。

-薄汚れた街-。

いささか失礼だが、9年前、高校時代に青春18きっぷで来たときの第一印象がそうだった。でも今の僕は、この穏やかで慎ましやかな佇まいの裏に、艶やかさときらびやかさがひっそりと息づいていることを、少しではあるが身をもって知っている。ひそやかに心躍らせる僕に構うことなく、平安の都、京の街は今日もいたって平穏だ。

Mさんの家に着き、新しく設けた仕事場があるという、北山杉のふるさと・中川へ車で向かう。仁和寺の前を通り、福王子の交差点を周山街道へ曲がる。神護寺でアルバイトしていた頃、マウンテンバイクで通った道だ。高山寺の脇を通り、美しいながらも花粉をたっぷり抱え込んだ北山杉の木立の中を走ること、計30~40分くらいだろうか、中川についた。北山杉といえば川端康成の『古都』を思い出す人は少なくあるまい。この中川こそがその舞台であるという。

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Mさんの仕事場の隣の家。こういった都市部から離れた山奥でも、丁寧に手入れされた庭を持つ家がある。この地域の文化レベルとその誇りがいかほどのものかを物語っている。

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小腹がすいたので、一同でラーメンをいただき、予定通り近くの渓流に魚釣りをしに行く。その途中にある北山杉の加工場に釣り場を教えてもらおうと立ち寄った。

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美しい丸太がたくさん。持ち上げてみるとずっしり重い。金額にするとものすごい値段。ところが生活習慣と建築様式の変化で、実際には杉が売れない。北山杉は植林して出荷できるまで30年はかかるという。先代が30年以上前に植え、丹念に手入れして育ててきた山の宝、それが充分な生活の糧にならないとはあまりに悲しい話である。

来るときに車から見えたのだけど、持ち主が手入れする気も起こらなくなってしまったのだろうか、すでに荒れ始めている山がある。特に台風の被害がそのまま放置されているところはひどい。北山杉の森は自然林ではない。手入れされて成り立つ人工林だ。人と自然による共存の営みが織り成してきた風景、それが綻びはじめている。

Mさんはその地域に繊維関係の仕事場を設けて、地域の人が現金収入を得られるようにすると同時に、使われなくなった建物を利用して生き長らえさせている。まさに地域に根ざした実業家。

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丸太にウットリした後は、いよいよ裏の渓流に釣り糸をたらす。水深が浅い。釣り糸が引っかかっては靴を脱いで水の中に入り引っかかっているところをはずす。なんともヘタクソ極まりない。川釣りは慣れてないんだってば。エサはイクラ。イクラで釣れるのかどうかも知らない。で釣果はゼロ。贅沢モノめ。そもそも魚がいたのかどうかすらわからなかった。でも、こういうひと時こそがとても大切なのである。別に言い訳じゃないですよ。

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渓流のそばから見上げた絞丸太。青空に映えて美しい。

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そのあとはさらに北へ。周山の「登喜和」という店ですき焼きを食す。上質かつ安心して食べれる黒毛和牛のみを扱うお店。改装したようで店構えはやや味気ないが、料理の方は絶品。肉だけでなく野菜や豆腐もうまい。睡眠不足の体はビールと日本酒の吸収が早い。加えて極上のすき焼き。ほろ酔いで洛中へ戻る。
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  1. 2006/03/11(土) 23:20:18|
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コメント

どうもです。

本当に贅沢な素材ですよ。

こんなお話でもお役に立つならぜひぜひ。
  1. 2006/03/18(土) 23:24:58 |
  2. URL |
  3. hidechan #-
  4. [ 編集]

丸太きれいですね。
地域系の話、非常に興味深いです。
4月から、佐渡島(両親の地元)を研究するのですが、参考にします。
  1. 2006/03/17(金) 01:46:41 |
  2. URL |
  3. mro #-
  4. [ 編集]

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